今から15年ほど前にサブプライムローンが不良債権化し不動産バブルが崩壊して世界的な金融危機が起こりました。
2008年には大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが破産し「リーマンショック」などとも呼ばれました。
このような危機で多数の投資家が損失を出す中でもそれを予測し大儲けした人間もいます。
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』はそんな人物達を描いた映画です。
この映画の登場人物にはモデルとなった人間たちが存在します。
サイオン・アセット・マネジメントのマイケル・バーリ氏はモデルの一人とされています。
彼の脳の構造がどうなっているのかは分かりませんが、世の中にはバブルの崩壊を予測できる脳を持った人間がいるようです。
人間がいる以上はバブルは常に発生する
バージニア工科大学とカリフォルニア工科大学が行ったバブル予測と脳についての実験があります。
この実験では320人が市場取引のシミュレーションゲームに参加しました。
その中でまず分かったことは常にバブルは発生するということです。
シミュレーションゲーム では16セッションの中で各々50の取引が行われましたが必ずどこかのタイミングでバブルが起こったのです。
人間が参加する以上は期待が期待を呼び価格を高騰させるのは自然なことなのです。
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損する人と儲ける人では脳の反応が違う
この実験では参加者の脳活動のスキャンも行っています。
そのデータによると儲けた人間と損した人間では異なる反応をしていることが分かりました。
損をした人間は興奮を呼び起こす側坐核の反応に基づき取引をしていました。
儲けを出した人間は島皮質前部の活動を支持し側坐核の反応は無視していました。
彼らの脳はバブルがピークに達する直前に島皮質前部が活性化していたのです。そしてバブルが崩壊する前に売り抜けることに成功したのです。
この実験が何を示唆するかというと、バブル崩壊を予測できる人間の脳は危機が迫ったときに警告信号を出している可能性があるということです。
※ラットの実験では島皮質前部にハイリスクハイリターンの行動を促す機能がある可能性が報告されています。この実験でもバブル崩壊を予測した人間がリスクを取らないということを示唆しているわけではありません。
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参考文献:Alec Smith, et al. (2014). Irrational exuberance and neural crash warning signals during endogenous experimental market bubbles.