イライラを抑える方法・解消法!しんどい職場でも使えるテクニック

イライラしたときの対処法について説明します。

一時的に怒りを抑える方法と根本的に解消する方法の2種類に分けて解説します。

日常生活だけではなくしんどい職場でも実践できるテクニックです。

一時的にイライラを抑える方法

まずは怒りやイライラを一時的に抑える方法から紹介します。

感情そのものを変えるというよりは咄嗟に手を出してしまったり暴言を吐いてしまわないようにするための応急処置のようなものと考えてください。

人によって合う方法と合わない方法がありますし、そもそも対処法を思い出せるほど冷静なら悩んでいないという人もいるかもしれません。

それでも思い出したときだけでも良いので試してみてください。想像以上にあっさりと怒りやイライラを抑えられるかもしれません。

6秒数える

最近色々なところで言われているのが「怒りやイライラした感情が起こったら6秒数えると抑えられる」ということです。

怒りの元となるストレスを受けて脳で最初に反応するのが大脳辺縁系と呼ばれる部分です。ここが反応するだけだと怒りにまかせて相手を殴ってしまうかもしれません。

しかし刺激を受けてから3~5秒経つと合理的な判断のできる前頭前皮質という部位が反応し暴走を抑えてくれるのです。

つまり6秒あれば脳内にある冷静な判断のできる場所が動き出すのでそれまで待ちましょうといことです。

実際にやってみると分かることですがたった数秒でも心の中で数えるだけでイライラした気分はだいぶ落ち着いてきます。

深呼吸をする

人間は怒りによって自律神経が乱れます。それを意識するとさらにイライラしてしまうという悪循環に陥ることもあります。

そこで深呼吸をすることによって自律神経のバランスを整えるのです。自立神経は自分の意思によって動かすことは出来ませんが呼吸によって働きかけることは可能です。

また脳に十分な酸素が足りなくなると働きが悪くなるため前頭前皮質が機能しなくなるとも言われています。それによって余計にイライラしやすくなります。

深い呼吸を繰り返すことによって脳にも酸素を送り落ち着きを取り戻すこともできます。

相手の攻撃を予測する

怒ったりイライラしているのは闘おうとしているということです。そんな状況で「深呼吸しろ!数を数えろ!と言われても出来ません」という人もいるでしょう。

そういう人は相手を観察して仮に戦闘が始まったら相手は一発目にどんな攻撃を仕掛けてくるのかを予測するのです。

耳が潰れていればレスリングか柔道経験者なので組み付いてくるだろうとか、拳ダコがあれば空手などの打撃系格闘技の経験者なので一発目はパンチだろうなど予測するのです。

身体的特徴がなくても手に持っているものを武器として使ってくるだろうか?など観察すべきことはたくさんあります。

これらを分析しているうちに冷静さを取り戻すので実際に闘うことの不利益を考えられるようになります。その頃にはイライラを抑えられているはずです。

この方法であれば闘おうとしている気持ちを無理に逸らせることはしませんので好戦的な人でも取り組みやすいでしょう。

間違っても「どうやって相手を倒そうか」とは考えてはいけません。これだと本当に手が出てしまいかねません。あくまで一撃目をかわす方法を考えるのです。

呪文を唱える

心理学の研究をしていると日常でトラブルに巻き込まれたときでも観察のチャンスと思ってしまうことがあります。ほぼ教科書通りの反応をする人がほとんどなのですが……。

例えば相手がケンカごしで何かを言ってきた場合でもこちらが何と言えば相手がどう反応するかだいたい分かります。

しかしこれは知識があることを隠して相手と対峙しているわけですからとてもズルいことです。

なので私はイライラして相手を打ち負かせてしまおうと思ったときは心の中で「ノブレス・オブリージュ(高貴なる義務)」と唱えています。

本来の意味とはずいぶんズレますが感情のトラブルに関しては知識がある分、こちら側に引き下がる義務があるということです。

これは意外と効果的で自分が引き下がっても損をしたとか負けたという気分にはなりません。

何も思いつかないという人は「怒ると病気になる」と唱えると良いかもしれません。実際に怒りで自律神経が乱れると免疫力が低下し病気になりやすくなります。

他の誰かになりきる

自分が怒りっぽい、イライラしやすいということを自覚しそれを抑えたいと考えている人は穏やかな人に憧れを持っていることがあります。

その対象は身近な人だったり芸能人だったり歴史上の人物だったりします。もしそのように憧れの人物がいるのであればそれを利用しましょう。

イライラが生まれる場面に遭遇したらその人になりきるのです。憧れの人だったらどのように考えどのように反応するのだろうかということを想像してその通りにします。

その場を離れる

心を落ち着けるためにはイライラの原因となった相手や場所から離れるのが効果的です。

例えば会社で同僚と激しくやり合った後に自席に戻ってもまだイライラが収まらないということがあります。そんな時に相手が視界に入れば再び怒りの火がつきます。

そういうときは5分でも良いので相手が目に入らない場所に移動してみましょう。冷静な心を取り戻すことができます。

本当に感情が爆発してしまいそう時は打ち合わせ中でもトイレに行くなどといって一旦離席してしまうのも手です。

一時的にイライラを抑えるテクニックとしてはその場を離れることが最も効果的という専門家もいます。

イライラの解消法

ここからは一時的な対処法ではなくより根本的なイライラの解消法を説明します。

どうしても許せない出来事や何日も忘れられない怒りにも効果的です。

3つのステップに分けて解説します。

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【ステップ1】怒り・イライラの感情をメッセージとして認める

怒りやイライラというのは本人にとって必要なものなのです。

この危機的状況を放っておくと大変なことになるというメッセージなのです。

実際には大変ではないかもしれませんが今自分が持っている価値観においては好ましくないことが起こっているといことなのです。

怒ったりイライラしたら自分からのメッセージなのだと認めましょう。

自分か他人もしくは環境を変える必要があるのかもしれません。

イライラが治まらないときは自分からの重要なメッセージが届いていると捉えることで落ち着きを取り戻すことができます。

「私はイライラしない人間になると決めたから」と言って感情を否定すると余計にストレスがかかります。

否定することは解消することにはなりません。

出てきた感情をなかったことにするのは不可能なのです。どんなに穏やかな人でもイライラをゼロにすることは出来ません。

仮にそのような感情を持たない人がいるとしたらそれは精神疾患や脳の機能に障害がある可能性があります。

【ステップ2】分析する

同じ場面に遭遇しても怒る人もいれば怒らない人もいます。もともとの気質や価値観が異なるからです。

怒りやイライラは個々にとって異なる意味を持っています。せっかく感情が大きく動いたのですからその意味を分析しましょう。

例えば電車に乗るときに並んでいたら横入りをされたとします。このとき何とも思わない人もいます。ちょっとイライラする人もいれば怒りにまかせて怒鳴りつける人もいるでしょう。

こういった感情が芽生える理由はいくつか考えられます。順番は守るべきという強い信念を持っているのかもしれません。

電車に乗る順番も一応は権利ですからそれを侵害されたと感じたのかもしれません。しかし電車に乗る順番などというのはとても小さな権利です。

それで怒りを感じてしまうというのは自分の持っているものが少ないことへの不安が隠されているのかもしれません。

持っているものが少ないから小さな権利でも失うのが嫌なのです。この場合、解決するべき大きな問題が他に隠されているといえます。

このように怒りやイライラの根底に何が隠されているのかを分析するのです。

【ステップ3】対処する

怒りやイライラを分析したらそれが対処できることなのかどうかを考えます。

対処できることならその方法を考えましょう。それに気づくだけでもイライラが解消することがあります。

紙に問題を書き出してみるだけでも効果的です。手を動かして書くことによって頭の中だけで考えているときとは異なる脳の部位が使われますので解決方法が閃くかもしれません。

職場の人間に原因があるのなら直接言うか上司に相談することで解決するかもしれません。それが出来ないのであれば配置転換を希望しても良いでしょう。

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他人の態度を変えることが出来ないのであれば自分の態度を変えることで対処できる場合もあります。どうしても許せない相手であれば必要なこと以外は話さないと決める。

私はかつてイライラの原因となる相手とどうしても付き合わなければならない状況では心理実験の観察対象としていました。

そして試してみたい刺激をこちらから与えたりもしました。そしてその反応や行動をノートに記録していました。

これを始めた途端に相手に対するイライラはほとんど解消されました。

たとえ相手が自分をイライラさせるようなことをしても反応の一つとしてしか認識しなくなったからです。

自分の認識を変えるというのも効果的な対処法となり得るのです。

【補足】対処できな怒り

イライラの原因には全く自分に非がなかったり対処のしようがないものもあります。

そのような場合でも何らかの行動をとる必要があります。

簡単な方法としては紙に書いて捨てるという方法です。出来事や自分の感情を書き出すだけでも冷静さを取り戻せることがあります。

その紙をただゴミ箱に捨てるのではなく燃やしたりシュレッダーにかけると紙と一緒に怒りの感情も消えていくイメージを持ちやすくなります。

神社やお寺によっては手紙などのお焚き上げをしてくれるところもありますのでそこに持っていくのも良いでしょう。

これらの行為自体が根本的な解決にはならないかもしれませんが、怒りやイライラに対して何らかの行動を起こしたということが大切なのです。

怒りを出すのは良くないという人がいます。

確かにイライラして人やモノに当たるのは余計にストレスになるので良くないでしょう。

しかしイライラしているということはすでにストレスホルモンや神経伝達物質は分泌されているのですから何らかの対処をしなければなりません。

対処しないと分泌が増えてしまうこともあります。ノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質は過剰になると今度は分泌を止めてしまいます。

するとヤル気や集中力が低下したり場合によっては鬱を引き起こすこともあるのです。

脳からのシグナルに対してきちんと対処することが大切なのです。

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イライラしない人になるための習慣

最後にイライラしない人になるための習慣について説明します。

どんなに穏やかな人でも必ず怒りは持っています。人間にとって怒りは必要な感情なのです。

なので怒りの感情を全くなくすということは出来ません。しかし必要なとき以外は怒らないようになることは可能です。

怒りっぽい人から脱却するためには習慣を変えることと自分を知ることが大切です。

イライラを生む場所へ行かないことで思考回路う機会を減らす

あなたが自分のことをイライラしやすいと認識しているのなら穏やかな人間になるまではコンビニ、ファミレス、安い居酒屋などは極力行かないでください。

これらの場所はイライラを生み出しやすい場所だからです。

売買契約というのは客と店員のどちらかが上の立場などという決まりはありません。

しかし日本では客のほうが上の立場であるという空気があります。あなたも当然のようにそういった認識を持っているかもしれません。

なので店員の愛想が悪いとそれだけでイライラしてしまうことがあります。また他の客に横入りされたりすることもあります。

いつもイライラしているとイライラしやすい回路が強化されます。

イライラしない人になるためにはイライラを生み出す可能性のある場所からは出来るだけ離れることから始めます。

満員電車も乗るだけでストレスホルモンが出ますので時間をズラしたり職場の近くに引っ越すことで避けましょう。

環境を変えるだけでもイライラする機会は減りますからイライラの回路がこれ以上強化されるのを防ぐことができます。

どうしてもストレスの多い場所に行かなければならないときは事前に「予想外のことが起こることも有り得る」と予想しておきましょう。

人間は予想外の自体に直面したときはイライラしやすくなります。なので事前に予想をしておけば良いのです。

ディズニーランドで長時間並んでもイライラしないのは最初から並ぶと分かっているからです。

食事・睡眠・運動・笑顔

イライラしない人になるためには健康的な生活を送ることも重要です。体調が悪いとイライラしやすくなります。

ストレスが溜まるとそれを解消するために暴飲暴食をしてしまうという人がいますが逆効果です。

血糖値が急激に上がるとインスリンが大量に放出されるので今度は血糖値が急降下します。すると自律神経が乱れてイライラしやすくなります。

睡眠不足も自律神経を乱します。自律神経が乱れると寝つきが悪くなるのでさらに睡眠不足になってイライラするという悪循環に陥ります。

早寝早起きを心がけ朝起きたら部屋のカーテンを開けて太陽光を浴びるようにしましょう。太陽光を浴びることでセロトニンが活性化するので気分が安定します。

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ランニングやウォーキングなどの一定のリズムで行う運動もセロトニンの活性化には有効です。

笑顔のトレーニングも効果的です。意図的につくった笑顔でも副交感神経に影響を与えリラックスできるといいます。

また笑顔になることで実際に気分も楽しくなってくるということが実験結果からも分かっています。

イライラしやすい人というのは普段の表情が怖い人が多いです。だから余計に相手の不機嫌な態度を引き出してしまうのです。

楽しいことがなくても口角を上げて笑顔をつくることを習慣にしましょう。

感情を記録する

色々な場面でイライラしてしまうという人でも自分の感情を記録することでイライラしてしまうときは共通の条件があることに気づくことがあります。

毎日寝る前に一日を振り返って感情を記録しましょう。

記録する内容は次のような項目です。

  • イライラを感じた出来事
  • そのときの気持ち
  • 日付、時間、場所、天候
  • その日の体調
  • 前日の就寝時間と当日の起床時間
  • 会った人

就寝時間や体調、天候なども記録するのはそれらの条件が自分の感情に大きな影響を与えている場合もあるからです。

また出来事とは関係なくても特定の人に会った日はイライラしやすくなるということもあるので会った人も記録しておきます。

これらの記録が終わったら最後にその日一番嬉しかったことも記録します。良い気分のまま就寝するためにも必ず最後に嬉しかったことを思い出してください。

どうしても思い浮かばなければ感謝するべきことを書きます。生活している以上は感謝するべきことは必ずあります。

電車が時間通りに運行してくれたというのも感謝するべきことです。遅延したときは怒るのに時間通り運行してくれたときに感謝しないのはおかしいです。1分遅れただけで謝罪してくれるのは日本の鉄道会社だけです。

嬉しいことや感謝するべきことは就寝前だけではなく日常の中でも考えるようにしましょう。

人間の脳は怒りと喜びを同時に感じることは出来ません。喜びや感謝を感じる時間を増やすことを習慣化することで脳が怒る時間を減らすのです。

イライラのしやすさというのはクセです。心のクセなのです。

なので急に変えることはできません。しかし少しずつ矯正していくことは可能です。諦めずに継続することが大切です。

自分はどう生きたいのか?を知る

上記で説明した書くことは自分が何を大切にしているのか?つまりは自分の価値観を知ることにも繋がります。

怒りの感情が一切沸いてこないようにすることは不可能です。

そもそも消す必要はないのです。消すのではなく瑣末なことで怒らないようにすれば良いのです。

ちょっとしたことでイライラする人としない人の差には満たされているかどうかも関係しています。

これはお金を持っているとか社会的地位が高いとかではありません。

自分の価値観に合った生き方が出来ているかどうかが大きいのです。

どんなにお金があってもイライラしやすい人は本当は人からの感謝が欲しいのかもしれません。

お金を持っていないから自分は不幸だと世の中や親を恨んでいる人もお金を持ったからといって本当に満たされるとは限りません。

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自分を満たしてくれるものを既に手に入れている可能性だってあります。

それが家族なのか仲間なのか趣味なのかは人それぞれ違います。

自分が本当に大切にしたいことは何なのかが分かれば、どうでも良い他人のことなど瑣末なことに過ぎないということに気がつきます。

自分の生き方を見つけそれに邁進することもイライラしやすい人間から脱却する手段の一つなのです。

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