HSPの脳の疲労を科学的に回復させる方法

HSPはストレスを受けやすいためそれが脳の疲労につながることがあります。

脳の疲労を回復させるためにはいくつかの方法があります。

脳の疲労とはどういうことか

脳は役割の違う以下の3つの部位が連携しています。

  • 理性の部分(大脳新皮質)
  • 本能の部分(大脳辺縁系)
  • 生存の部分(自律神経系)

脳の疲労とはこれらの連携がうまくいかなくなり集中力や記憶力が低下した状態です。

一時的にものごとを覚えておくワーキングメモリも機能を低下させます。

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脳が疲労する原因

脳の疲労を起こす原因としてストレスが挙げられます。

日常生活のストレス

カリフォルニア大学が142人を対象に過去2週間で感じた日常のストレスについて聞き取りました。

日常のストレスとは他人からの批判や恋人・友人とのトラブルを含みます。

そして脳の機能を測定するタスクを課したところ日常のストレスが多い人ほど長期記憶とワーキングメモリの機能が低いという結果になりました。

慢性的なストレスが脳に影響を与えると睡眠の質の低下や身体の疲労感などにもつながります。

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一時的なストレス

一時的なストレスも脳の機能を低下させます。

清華大学が実験参加者にスピーチ課題(盗みをした設定で言い訳をする)と計算課題(1022から13ずつを引き算していく)を行わせワーキングメモリをテストしたところ、ストレスを与えられなかったグループと比べて反応時間が遅くなり正答率も下がることが分かりました。

また脳のERP(事象関連電位)を測定したところストレスによって刺激処理に関連する部位の反応が低下していることも分かりました。

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脳の疲労を回復させる方法

脳の疲労を回復させパフォーマンスを改善するための効果的な方法が様々な実験から分かっています。

有酸素運動

週に2回30分程度の有酸素運動をするだけでも記憶に関連する海馬に良い影響を与え機能を改善することは知られています。

また今すぐに脳の機能をアップさせたい場合にも有酸素運動は有効です。

バーミンガム大学の実験ではエアロバイクで中程度の負荷の有酸素運動をすると計算タスクのスコアがあがる結果が得られています。

その場でできる短時間のサーキットトレーニングが脳のパフォーマンスに良い影響を与えるという研究もあります。

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マインドフルネス

マインドフルネスが脳の機能を改善することは多くの実験で証明されています。

カリフォルニア大学の実験では2週間のマインドフルネストレーニングで読解力、ワーキングメモリ、集中力が大幅に向上することが分かりました。

それだけではなくあれこれと余計なことを考えてしまう状態(マインドワンダリング)も減らせる効果がありました。

マインドフルネスの方法はいろいろありますが瞑想がおすすめです。

リラックスした姿勢で目を閉じてゆっくりと呼吸をしながら自分の心に浮かんだことを判断せずに観察するのです。

マインドフルネスがストレスや不安の低減につながるという研究結果もあります。

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ストレスを遠ざける

基本的なことですがストレスを遠ざけることも重要です。

たとえばスマホは大きなストレス源となり脳を疲労させます。

テキサス大学の実験ではスマホに触れていなくても視界にあるだけで脳のパフォーマンスを低下させることが分かっています。スマホは違う部屋に置いておくのが最も脳に悪影響を与えません。

また脳の疲労は情報過多によっても起こりますがその原因となるのもスマホです。

雑多なニュースをダラダラと見ているだけでも脳にはかなりの疲労が蓄積します。

またネットのコンテンツのようにそれほど頭を使わずに理解できるものばかり消費していると脳の他の機能が低下し複雑なタスクができなくなることもあります。

先週見たニュースの内容をどれくらい覚えているでしょうか?

ほとんど覚えていないということは必要のない情報ということですから脳と時間の節約のためにもポータルサイトの雑多なニュースを見るのはやめましょう。

これら以外にも脳の疲労を回復させるためには栄養のある食事や質の高い睡眠などが有効です。

ちなみにストレスや情報過多ではなく単に長時間にわたり仕事や勉強をしたせいで集中力が落ちたと感じている場合は単に思い込みの場合もあります。

その場合は意識を変えることで集中力の持続する時間を延ばせるという研究もあります。

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参考文献
・Recent life stress exposure is associated with poorer long-term memory, working memory, and self-reported memory.
・Working memory performance impaired after exposure to acute social stress: The evidence comes from ERPs.
・Brain Drain: The Mere Presence of One’s Own Smartphone Reduces Available Cognitive Capacity.
・Mindfulness training improves working memory capacity and GRE performance while reducing mind wandering.
・Moderate intensity exercise facilitates working memory.

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